版画ってなんでそんなに高いの!?人気の高い版画ジャンルと共に解説致します

絵巻本舗の取り扱いジャンルのひとつに「版画」というものがあり、これは作家先生が描かれた肉筆画である「原画」から版を作製し、いくつもの絵のを摺り上げる「複製原画」の手法のひとつです。
(専門的に話すと、最近の版画では「原画」が存在しない、とも言える場合があるので難しいのですが…)

版画はグッズの中でも値段が高額の部類に入り、実際に値段を見て驚かれる方も少なくありません。

そして皆さん一度はこう思ったのではないでしょうか?

「版画は絵を量産するための手法なんだからもっと安くならないの!?」

それでは本日は「版画はなぜ高いのか」と「人気の高い版画ジャンル」について解説致します!

版画にも色々!アナログ版画やデジタル版画

まず版画についてですが、現在アニメグッズとして販売されている「版画」には「原画(元になる絵)」が存在し、それを元に版画の製作を行うのが主流となっております。

しかし版画といっても木版画・銅版画・シルクスクリーン・リトグラフ・ジクレー・ミクスドメディアなど様々な技法が存在し、どの技法を使用するかによって絵の映り方や魅力が大きく変わります。
ちなみに木版画・銅版画・シルクスクリーン・リトグラフの違いにつきましては別でコラムを掲載しておりますので、そちらもぜひご覧下さい!

昔ながらの手彫りの木版画や、近代で主流だったリトグラフやシルクスクリーンといったアナログ版画も大変人気ですが、「原画(元の絵)を忠実に再現可能」という点からデジタル版画であるジグレー(ジーグレー)も最近では人気が高まっています。

しかしこういった絵画の世界の複製は、私たちが日常で使用しているような
「スキャナーをガーッとかけて印刷ポーン!」のような簡単な世界ではないのです…。

版画製作にはプロの手や道具が必要不可欠!


伝統的な木版画やシルクスクリーンなどは版木作りや色擦りにプロの技師が必要になりますし、ジグレーのようなデジタル版画でも絵画の取り込みに特化し高度な処理技術を有した設備の投資やそれを扱うプロの手が必要となります。

また使用するキャンパス材や色も、発色や劣化の事を考慮してこだわり抜かれたものを使用している場合が多く、

さらに版木を作るアナログ版画では作製した版木で複製できる数が決まっておりますし、市場価値が落ちないようにあえて生産量を抑えているケースもあります。
現代版画では「数十〜百枚程度では、ほとんど同じレベルでの印刷が可能」と言われておりますが、
「版の摩耗」は現実として起きてしまうので、どのような版画でもシリアルナンバーが若い方が価値が高くなりやすい傾向があります。(特別な項番にプレミアがつくこともあるので、一概には言えないのですが…!)

とはいえ、自分だけのエディションナンバー(この作品はこれだけ作られた版画の中でも何番目のものですよという表示ですね)や、原画を手掛けた先生の作品の監修(出来のチェック)とサインなどが入るわけですから、希少価値が高くなるのも当然で、その代わりに1枚でも所持していれば友達に自慢出来てしまう、版画はそんな美術品のような立ち位置のグッズなんです!

極まる印刷・キャンパス材のこだわり

最近の版画では50回〜100回、何度も何度も繰り返して印刷し、色に深みや奥行きを出していく工程が踏まれています。作品力が高い版画の製造には3ヶ月〜半年ほどかかる場合も!
専門の技師・職人が1作品1作品を丁寧に作っているので、時間もかかるし値段も高くなってしまうんですね!

印刷の工程だけでなく、「印刷する側」の「キャンパス素材」も作品に合わせて幅広く選ばれるようになりました。

「版画」と聞くと「紙に印刷する」と思いますが、なんと鉄に印刷したりもするんです!
鉄に印刷すると、ギラつきそうなイメージがありますが、実は逆でして、淡い水や液体などの表現が柔らかく美しく出てきます。
他にはアクリル印刷×鏡面シートで、色のない部分が銀色に輝くような加工がされている物や、和風な世界観を引き立てる漆黒の漆加工がされているもの、アルミに印刷されてスタイリッシュな光を放つもの(個人的感想ですが、めちゃいかつい!)、など様々!
より先生方の作品の魅力を引き立てられるような工夫がされています。

また、版画は「太陽光」などの「光」に当てるとより深い色合いが出ると言われております。
「実際に絵を強い光に当てると劣化してしまう」と思いますよね?
その通り!なのですが、最近の版画の額には「紫外線カット」が施されており、
80年は太陽光に毎日当てても大丈夫 と保証されていたりします。

ですので、安心して窓際に飾ることができますね!(個人的には高額なものをあまり太陽光などの強い光に当てたくないですが笑)

版画はどこで手に入る?

そんな版画…どんどん欲しくなってきましたね?

では版画はどこで購入できるかといいますと、実は版画は複製原画ほど種類が多くなく、版画として販売されているアニメ系のイラストレーター・漫画家・作家の作品は限られています。

最も有名なものですと「アールジュネス」というアールビバン株式会社が運営するブランドがあり、そこに「この素晴らしい世界に祝福を!」の三嶋くろね先生や、「変態王子と笑わない猫。」のカントク先生、「冴えない彼女の育てかた」の深崎暮人先生、「ファイナルファンタジー」でお馴染み天野喜孝氏など150名近くの作家が在籍しており、こちらはオンライン購入が可能なイラスト系版画の中の一大ブランドとなっております。
>参考コラム:アールビバン・軸中心派・アールジュネスって何!?

また、
・「ドラえもん」浮世絵「富嶽三十六景 東海道品川御殿山の不二」


・「冴えない彼女の育てかた」浮世絵木版画 「当代美人彼女揃」


・「Re:ゼロから始まる異世界生活」浮世絵木版画「冨嶽異世界少女百景 恋夢」


のように作品ごとによっては特設サイトが設けられ、版画の製作が行われるケースもございます。

さらに「連載15周年記念 FAIRYTAIL版画展 RISE」やアールジュネスのように、実際に展示会が開催されるケースもあり、こちらは現地で版画の購入が出来ます。

しかし版画はどのケースにおいても販売期間や数量が限定されていますので、お気に入りの作家の作品などをお買い求めの際は予約状況や販売期間などをぜひチェックした方が良いですね!

2023年人気の高かった版画のご紹介

それでは最後に2023年特に人気が高かった版画のイラストレーター・原作作品・漫画家などをご紹介致します!

(イラストレーター)
・カントク先生
・Hiten先生
・ピロ水先生
・深崎暮人先生
・三嶋くろね先生
・てぃんくる先生
・KEI先生(初音ミクの親)
・ぎん太郎先生
・珈琲貴族先生
・四季童子先生
・田中将賀先生

(ラノベ・アニメ・漫画・ゲーム作品)
・「冴えない彼女の育てかた」
・「ドラえもん」
・「狼と香辛料」
・「Re:ゼロから始める異世界生活」
・「ときめきメモリアル」
・「攻殻機動隊」

(漫画家)
・松本零士先生
・ちばてつや先生「あしたのジョー」
・江口寿史先生
・ゆでたまご先生「キン肉マン」
・真島ヒロ先生「フェアリーテイル/FAIRY TAIL」

まとめ

以上、「版画はなぜ高いのか」と「人気の高いアニメ版画ジャンル」についていかがだったでしょうか。

版画は1点からでも希少性や価値が高く高額なグッズの部類に入るのですが、版画を専門買取にしている業者様は少なく、当店も「他店で思ったよりも金額が安くて…」といった理由でご相談を受ける事も珍しくありません。

絵巻本舗では版画の中でもアニメ系グッズの査定に特化したスタッフが、お客様の版画や原画・タペストリーや抱き枕・セル画といったグッズを自信を持って査定させて頂きます。

また絵巻本舗は全国どこからでも買取を歓迎しているほか、買取価格に絶対の自信を持っているため他店での買取価格にご納得のいかなかったお客様はぜひ一度当店にご依頼頂く事をおススメ致します!
大切な作品ですので、相見積もりでももちろん大丈夫です。

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